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[標本番号:No.42 採集日:2006/12/03 採集地:東京都、奥多摩町] [和名:ホソホウオウゴケ 学名:Fissidens grandifrons] | |||||||||||||||||||
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奥多摩で石灰岩地のキノコを探している時に出会ったたコケを持ち帰った。岩を砕いて作った林道脇、いつも水流に曝された石灰岩盤をすっかり被うように一面にでていた(a)。近寄ってみると、どうやらホウオウゴケの仲間らしい(b)。何本か抜いて白い紙の上に置いてみた(c, d)。茎の長さは5〜12cmほどあり、所々で枝分かれしている(c)。葉はしっかりしていてかなり硬い。 持ち帰ったのは12月3日だったが、室内に放置しておいたところ、すっかり乾燥していた(e)。乾燥しても、葉は多少反り返るくらいで、縮れない(f)。実体鏡でみると葉は細長い披針形で、とても厚みがある(g)。一枚を取りだして(h)、横断面を切り出してみた(i)。最初、中肋がはっきり捉えられなかったので、あらためてさらに薄切りにすると、背翼の部分が欠落してしまった(j)。 あらためて、腹-背翼分岐部(k)、背翼(l)、腹翼(m, n)を確認してみた。背翼は2〜5細胞ほどの厚みがある(l)。腹翼の基部付近は4〜5細胞の厚み(m)、翼の中央部では2〜3細胞(m, n)、先端部でようやく1層の厚みとなる(n)。腹-背翼分岐部にはガイドセルが目立つ(k)。葉の基部で茎と一緒に切り出してみた(o)。腹翼が茎を抱きかかえたような姿が印象的だ。 葉が複数の細胞層からなっていて、葉身細胞の確認は思いの外面倒だ。腹翼の先端付近の1層からなる部分の細胞は多角形(p)。翼の中央付近の複数層からなる細胞の表皮は、円形から丸みを帯びた多角形をしている(q)。背翼の端の細胞は腹翼の端の細胞と似たような多角形をしている(r)。葉身細胞の確認はかなり乱暴に扱っても壊れにくかった。 流水のある石灰岩盤についていること、葉身細胞が複数の細胞層からなり、葉が硬いこと、乾燥しても葉が縮れないこと、葉縁に舷がないこと、葉身の断面は複数の細胞層からなること、などから、ホソホウオウゴケ Fissidens grandifrons に間違いなかろう。 |
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