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[標本番号:No.76   採集日:2007/01/19   採集地:東京都、渋谷区]
[和名:キャラボクゴケ   学名:Fissidens taxifolius]
 
2007年1月21日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 明治神宮の参道脇に何種類かの苔がみられた(a)。ホウオウゴケの仲間とアオギヌゴケの仲間が混生しているようで、裸土の斜面とコンクリートの両者から出ていた。このうち、ホウオウゴケ科の蘚を観察した(b)。乾燥するとやや縮れるが、巻縮れることはない。
 茎は長さ8〜12mmで12〜15対ほどの葉をつける。葉は長さ1.5〜2.0mm、披針状の舌形で、葉縁には小さな歯があり、葉頂はわずかに突出する(d, e)。中肋は褐色を帯び、葉先まで伸びている。  乾燥しても湿らせるとすぐに開きはじめた(c)。葉身細胞は方形〜多角形で、中央にひとつの乳頭のようなものがある(f)。ただ、乳頭のような膨らみは全面にあるわけではない。
 何枚かの葉の横断面で切り出して、背翼と腹翼の境界付近をみた(g, h)。乳頭らしきものは各細胞にひとつある。茎を縦に切ってみた(i)。どうやらキャラボクゴケ Fissidens taxifolius らしい。この蘚は、昨年11月にさいたま市の公園でも採取している(観察覚書2006.11.17)。
 なお、今回観察した群落には、あちこちで朔の姿がみられた。一見すると、まるでキャラボクゴケの朔であるかのように見られる(j)。しかし、よくよくみると、朔の根本にはアオギヌゴケ科らしきコケの葉が見られる。ただ、キャラボクゴケの葉をかき分けてみないと分かりにくい。