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[標本番号:No.233 採集日:2007/05/08 採集地:栃木県、日光市] [和名:エビゴケ 学名:Bryoxiphium norvegicum ssp. japonicum] | |||||||||||||||||||
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5月8日、日光の裏見の滝周辺を歩く機会があった。そこで、石垣や遊歩道脇の岩壁に芝のようなコケが多数垂れ下がっていた(a)。朔をつけたものや(b)、鮮やかな黄緑色の群もあちこちにみられた(c)。大岩から垂れ下がる姿は、まるで生え初めの芝生のようだ。 茎は長さ2〜3cm、葉を含めた幅は2mm前後、枝分かれはほとんどない。葉が左右に2列につき、中肋を境に折り畳まれ、茎を抱え込むように密に重なり合ってつく。葉は披針形で非相称、上端は丸みを帯び、中肋が尖って突き出す(g)。茎上部の葉では、中肋の先が長い芒となり、まるで毛をつけたように見える(b, e, f)。若い葉では、芒は短かく目立たない(c)。 葉身細胞は、毛状に延びた部分では線形(h)、葉の上部中肋近くでは多角形〜矩形(i)、葉の縁や基部では細い長方形〜線形(j)、いずれも平滑。葉を一枚取り外すのは意外と面倒なので、茎と一緒に横断面を切り出した。葉の横断面はホウオウゴケの葉を思わせる(k〜m)。茎の横断面は扁平な楕円形で、表皮細胞は厚膜の小さな細胞からなる(k, l)。 朔は既に蓋を失ったものばかりだったが(n, o)、茎の頂部から屈曲して延びる柄に直立してつく(b, d)。柄の長さは3〜4mm、朔の形は卵形で、朔歯は無い(p, q)。胞子は球形(r)。 垂れ下がった芝の様な形、ホウオウゴケのような葉の横断面、朔歯を持たない朔、など非常に特徴的な蘚類なので、直ちにエビゴケ Bryoxiphium norvegicum ssp. japonicum であると分かった。葉の横断面は、ホウオウゴケ科のそれと比較して背側がとても短い。 |
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