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[標本番号:No.240   採集日:2007/05/20   採集地:群馬県、水上町]
[和名:コセイタカスギゴケ   学名:Pogonatum contortum]
 
2007年5月29日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 先週の日曜日、群馬県水上町で雨の中、沢筋を下っているとき、鮮やかな濃緑色のコケの群落にであった(a)。スギゴケ科の蘚類らしい(b)。枝分かれせず、背丈は6〜10cmで、乾燥すると強く巻縮する(c, d)。葉は卵形の鞘部から披針形に伸び、長さ7〜9mm、縁と中肋背面には鋭い牙歯がある(f)。鞘部上半の縁にも鋭い歯がある(g)。
 薄板を観察するために、葉を横断面(g, h)と縦断面(g, k)で切り出してみた。薄板は低く、高さ2〜3細胞、端細胞は平滑で分裂したものはみつからない(i〜k)。(i)、(k)は写真(g)でラインを引いて指し示した位置での断面である。また、葉の縁の細胞は2層からなる(j)。薄板を葉の腹面からみると綺麗に平行に走っている(l)。
 たぶん典型的なコセイタカスギゴケ Pogonatum contortum ではあるまいか。先に観察覚書で取りあげたコセイタカスギゴケは、いずれもあまり典型的なものではなかったり、特異な姿をしたものだった(覚書2007.2.8同2007.1.6。これらと比較してみると、マクロ・ミクロの形態や見た目の感触にかなりの差異がある。それも変異の幅なのだろうか。