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[標本番号:No.295 採集日:2007/07/15 採集地:山形県、米沢市] [和名:エゾハイゴケ 学名:Hypnum lindbergii] | |||||||||||||
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山形県米沢市の山中、林道脇のジメジメした切り通しに出ていた蘚類を再検討した(a)。あいにく現地で生態写真を撮影しなかった。一度観察したのだが、どの属に落ちるのか全くわからず、そのうち忘れ放置されていた。それもあり、標本番号を与えたのもつい最近のことだ。
標高1,200m、渓谷沿いの林道脇に緑色のマットをつくっていた。茎は不規則に分枝し、地をはう部分は褐色を帯び、長さ6〜8cm。細紐状に長く伸びた茎もある。枝は長さ1.5〜3cm、幅は葉を含めて2mm前後、比較的疎に茎葉をつける(b)。乾燥してもあまり姿は変わらない(c)。褐色の主茎には、疎らに茎葉がつき、茎や柄の表面に毛葉などはない(d)。
どの属に該当するものやら、皆目見当がつかず、ほぼ1週間迷走した。観察結果に基づいて、「・・・ではありえない」方式で、ヤナギゴケ科、アオギヌゴケ科、ハイゴケ科の種の記述にあたって可能性を絞り込んでみたが、結局、いまだによくわからない。
[修正と補足:2007.08.21] |
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いくつかの枝の付け根や、若い枝が出る位置を観察するために、一次茎の葉を取り去った(m)。青色の丸印で囲ったあたりをみると、茎葉や枝葉とはやや異なった形の小さな葉がある(n)。若い茎の基部にも同じような小さな葉がある(o)。壊れないようにそっと取り外して顕微鏡で覗いてみた(p)。これは偽毛葉 pseudoparaphyllium なのだろうか。ついでに、枝葉の翼部をていねいに剥がして再確認するとNoguchiの図にあるような姿が見られた(q)。 観察結果をエゾハイゴケについての記述と比較してみると、ウスキシメリゴケよりもずっと妥当性があるようだ。Noguchiには、葉の中程の葉身細胞の長さが50-70×3-4μmと書かれているが、これは変異の範囲といえそうだ。エゾハイゴケに修正するのが妥当のようだ。 エゾハイゴケ所属については、ヤナギゴケ科のヤリノホゴケ属 Calliergonella とする立場もあるようだが、ここではハイゴケ科として扱っておく。ご指摘、ありがとうございました。 |
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