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[標本番号:No.320   採集日:2007/08/26   採集地:長野県、小海町]
[和名:ムツデチョウチンゴケ   学名:Pseudobryum speciosum]
 
2007年9月2日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 8月末の北八ヶ岳白駒の池周辺はカラカラに乾いていた。標高2,015m付近には朔をつけて乾燥気味のムツデチョウチンゴケが無数に群落をなしていた。乾燥しきっていて、湿時の美しい姿は見られなかった(a, b)。採取した個体を乾燥状態(c)、湿った状態(d)で比較してみた。
 ムツデチョウチンゴケに間違いないことを再確認するために、葉(e)、支脈を持つ中肋(f〜h)、葉縁全体にわたる刺状の歯(i)、葉身細胞(j)をチェックした。この蘚については、過去何度も観察しているので、ここでは詳細は省略した。
 
 
 
(k)
(k)
(l)
(l)
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
(s)
(s)
(t)
(t)
 朔をつけた雌株に出会ったのは初めてだったので、これを解剖して楽しんだ。一本の茎の先端から4〜6本の朔をつけていたが、すでに蓋ははずれ、胞子はごくわずかしか残っていなかった。朔は二重で16枚(m)、外朔歯は三角形で横条が目立ち(l, n〜p)、内朔歯は中程から2裂し、先の方は微細な疣に被われ、興味深い姿をみせてくれる(q〜t)。