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[標本番号:No.330 採集日:2007/08/26 採集地:長野県、小海町] [和名:ミヤマスギバゴケ 学名:Lepidozia subtransversa] | |||||||||||
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北八ヶ岳白駒の池付近の標高1,900mあたりの針葉樹林で、岩上に薄く積もった腐植土から、スギゴケ科やシッポゴケ科の蘚類に混じって、フワフワしたマット状の苔類が出ていた(a, b)。遠くからみるとシノブゴケ科の繊細な蘚類のように見えたが、近寄ってルーペでみると、ムチゴケ科の苔類だった(c)。植物体は斜めに立ち、茎の長さは5〜8cm、数回羽状に分枝する。 茎は円柱状で、葉は斜め倒瓦状に離在〜接在して偏平に広がり、腹葉は側葉とほぼ同じ大きさか、やや小さく、葉長の1/2あたりまで深く3〜4裂片をなしている(d, e)。側葉でも複葉でも、葉の裂片はほぼ三角形で、裂片基部の幅は、細胞数で10〜16ほどある(f)。 葉身細胞は六角形で、長さ18〜30μm、トリゴンは小さく、楕円形〜碁石形の油体が、細胞あたり10〜20個ほどある。葉の横断面をみると、背側がやや厚膜で、平滑(h)。茎や枝お横断面をみると、表皮細胞はやや薄膜(i)。若くて緑色をした鞭では、先端付近に雌花のようなものがついている(j)。
いかにも特徴的な苔類で、腹面のあちこちから鞭を出している。さらに、茎が羽状に分枝し、葉が1/2あたりまで3〜4裂することから、スギバゴケ属と思える。スギバゴケ属の検索表にあたると、ミヤマスギバゴケ Lepidozia subtransversa に落ちる。 |
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