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[標本番号:No.301 採集日:2007/08/22 採集地:山梨県、鳴沢村] [和名:オオフサゴケ 学名:Rhytidiadelphus triquetrus] | |||||||||||||
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8月の富士山、標高1,900mの富士山で採取したコケをやっと観る機会ができた。シラビソ主体の針葉樹林の林床に広く群をつくっていた(a)。見た目は、さる6月24日に、やはり同じ富士山の標高1,600m付近の樹幹についていたオオフサゴケ(No.271)とよく似ていた。 植物体は大きく、茎は長さ15cmに及び、立ち上がり不規則羽状に分枝し、1.5〜2.5cmほどの長さの枝をつける。ボテっとした姿で、茎にも枝にも葉を密集させてつけ、乾燥しても、葉は広く展開したままで、湿時の姿とほとんど変わらない(b)。茎は赤く、毛葉はみられない(d)。 茎葉と枝葉は大きさが違うが、形はほぼ同じである。茎葉は茎を抱くようについている。ともに、深い縦皺があり、卵形の基部から披針形に伸び、葉の先端付近には歯がある(c〜f, h)。茎葉は長さ3〜5mm、枝葉は長さ1.5〜3.5mm、いずれも、上半部背面の葉身細胞の端は刺状に突出する(g, i)。このため、高倍率ルーペで葉裏をみると、葉面がざらついてみえる(g)。 葉の横断面を切り出してみると、波打っている。葉の横断面で中肋付近をみた(k)。茎と枝の横断面をみると、厚壁の小さな細胞が表皮を構成し、茎や太い枝では、明瞭な中心束がみられるが、細い枝では中心束は未発達ではっきりわからない(l)。 オオフサゴケ Rhytidiadelphus triquetrus としてよさそうである。葉身細胞の形やサイズ(h〜j)は、先の観察結果(標本No.271)とほぼ同じなので、ここでは記述を省略した。また、先のフサゴケとは全く別の場所で採取したもので、同じシラビソ系針葉樹の林ではあるが、ここは大きく開け、両者の周辺の環境はかなり違う。 |
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