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[標本番号:No.363 採集日:2007/09/13 採集地:北海道、上川町] [和名:ハットリチョウチンゴケ 学名:Rhizomnium hattorii] | |||||||||||||
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一昨日、10日間におよぶ西日本旅行から戻ってきた。郵便受けをみると、友人で北海道上川町在住のきのこ研究家佐藤清吉さんから、写真(a)を添えたコケ標本(b)が同封された便りが届いていた。大雪山銀泉台からやや登った地点(標高1,650m)で採取したという。文面には「コケのイメージがしないのが目に入ったので採取してきました」とあった。 写真(a)はスキャナーで取り込んでプリンタで印刷したものらしく不鮮明であるが、乾燥標本はしっかりしていた(b)。水没させると新鮮な状態に回復した(c)。茎は直立し、長さ15〜20mm、赤みを帯び、先の方にうちわ型の葉をつけ(b〜d)、頂部には褐色の組織が塊状についている(d)。 葉はうちわ型〜倒卵形で、長さ5〜7mm、全縁で、褐色の舷に囲まれ(g)、中肋は葉先に届かず(e)、乾燥しても葉は縮れない(b)。葉先は微突起状となり、舷の部分は紡錘形の細胞からなり(f)、中肋脇の細胞が際だって大きいことはない(h)。 葉身細胞は、六角形で、位置によって大きさにはかなり幅があるが、大方は長さ80〜130μmに納まり、細胞壁は厚いが、厚角にはならない(i)。中肋断面(j)、舷の横断面(k)、茎の横断面(l)なども撮影しメモしておいた。茎頂部の褐色の塊(d)は、側糸と造精器のようだ。 チョウチンゴケ科の検索表をたどると、ウチワチョウチンゴケ属 Rhizomnium に落ちる。ついで、種への検索表をたどると、ハットリチョウチンゴケ R. hattorii となった。いくつかの図鑑類でハットリチョウチンゴケについての解説を読むと、観察結果とおおむね一致する。 |
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