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[標本番号:No.484 採集日:2008/06/24 採集地:東京都、奥多摩町] [和名:マツムラゴケ 学名:Duthiella speciosissima] | |||||||||||||
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先月(6/24)奥多摩で群落をなすフトリュウビゴケに隣接して、それと混生しながら、やはり大形の蘚類が群生していた。正確には、沢の支流が流れる日陰で、標高545mあたりの石灰岩壁やその周辺の腐植土上である(a, b)。 混生している2種を持ち帰ったという自覚がなかった。ただ何となくみた感じが違うので、フトリュウビゴケとは別に、本標本に相当する群落を撮影したようだ(a)。昨日になってはじめて、フトリュウビゴケを調べている時に、別の種が混じり合っていることに気づいて、それを分別して、新たに標本番号をつけることになったものがこの標本だ。標本は4本あった。 葉は、卵形の基部を持ち、葉先が芒のように長く伸び、葉縁に鋸歯がある。これらの点では、フトリュウビゴケと同様だが、乾燥すると葉の基部には縦シワが顕著となり(c)、乾燥標本をみた瞬間に複数種が混じり合っていることはすぐにわかった。
茎は長さ15cm以上に及び、不規則に羽状に分枝し、やや密に扁平に葉をつける(d)。茎や枝には毛葉はなく、柄も赤褐色を帯びることはない。葉は、長さ3〜4mm、卵形の基部から次第に細く伸び、葉頂付近では波打ち、捻れ、芒状に伸びる。葉縁には鋸歯があり、基部はわずかに耳状となり、中肋が葉長の2/3〜4/5まで達する(e, f)。茎葉と枝葉にさしたる相違はない。
外見的形からヒムロゴケ科 Pterobryaceae ないしムジナゴケ科 Trachypodaceae の蘚類だと思った。朔をつけた個体はなかった。ヒムロゴケ科で中肋を一本もつ属を検討すると、該当種がみつからなかった。そこで、ムジナゴケ科の検索表をたどった。 |
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