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[標本番号:No.507 採集日:2008/09/02 採集地:秋田県、湯沢市] [和名:ヒメジャゴケ 学名:Conocephalum japonicum] | |||||||||||||
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去る9月2日、秋田県湯沢市の木地山平のキャンプ場(alt580m)で、ジャゴケの仲間を採集した(a)。葉状体の縁近くが、いちように小判形に膨らんでいて興味深かった(b)。 葉状体の幅は2〜3mm(c)、腹面には中肋部に沿って腹鱗片が2列に並び、仮根が長く伸びる(d〜e)。腹鱗片は紫色をしていて、三日月形〜長楕円形、円形の付属物がついている(f)。葉状体の横断面をみると、背側の表層部だけが緑色で、髄部と腹側はほとんど透明な球形細胞からなり、中肋部背面は紫色を帯びている。背側には同化組織がよく発達し、気室の底に同化糸が並び、その頂端はくちばし状の透明細胞となり、単純な気室孔を持っている(h)。 葉状体腹面には、一層の細胞からなる腹鱗片と葉状体腹面に包まれるように仮根の横断面がみられる(i)。仮根には有紋型と平滑型の二つがあるが(k)、腹鱗片に包まれるような位置からでるものは有紋型で、断面からもよくわかる(j)。葉状体縁の腹面にある小判形の部分を中肋部に直角に横断面で切ってみた(l)。どうやら成育中の雄器のようだ。 | |||||||||||||
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雄器をあらためてじっくり見た(m)。表面には多数の乳頭状の構造がある(n)。その一つひとつは気室孔のようだ(o)。ついで、雄器を中肋部に沿って横断面で切り出した(p)。中の袋状の構造は、いずれ精子を作る部分だろうか(q)。表面に続く孔もみられる。なお、雄器表面にも気室や同化糸がある(o, r) 2種類の仮根をもち、腹鱗片の付属物が円形、単純な気室孔と、透明でくちばし状の同化糸先端、葉状体の幅2〜3mmなどから、ヒメジャゴケ Conocephalum japonicum に間違いなさそうだ。いずれも小判状の雄器をつけていたので、すべて雄株だったのだろう。 |
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