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[標本番号:No.578 採集日:2009/01/17 採集地:神奈川県、鎌倉市] [和名:キャラハゴケ 学名:Taxiphyllum taxirameum] | |||||||||||||
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鎌倉のハイキングコース(alt 50m)、道脇に張り出した樹根の表面に、黄緑色の蘚類が小さな薄いマットを作っていた(a, b)。茎は根の表面を這い、枝を不規則に並列に平面的に出す(c)。皮切りナイフなどを使わずに採集したところ、茎の多くはちぎれてしまった。 枝は長さ2〜4cm、葉を含めた幅は2〜3mm、葉は乾いても展開したままで、湿っているときと姿はほとんど変わらず、扁平についている(d, e)。葉は、卵状披針形で非相称、長さ1.2〜2mm、葉先は尖り、葉縁には小さな歯があり、短く弱い中肋が2叉し、葉の表面はなんとなくザラついている(f, g)。葉縁の歯は上半部では顕著だが、基部では微細あるいは全縁となる(h, i)。 |
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葉身細胞はうじ虫形〜線形で、長さ45〜70μm、幅4〜6μm、やや厚壁で、背面葉先側の細胞端には乳頭がある(j)。この乳頭のために、葉の表面がザラついて見えるようだ。翼部は明瞭に分化することなく、縁に矩形の細胞が連なる(k)。葉頂付近の葉身細胞はうじ虫状(l)。葉の横断面で、中肋は細胞が2層となっているだけで、ステライドやガイドセルは全くみられない(m)。茎の横断面で表皮細胞は小さく厚膜であり、弱い中心束がある(n, o)。 茎の腹面からは随所から褐色の仮根が束になって出ている(p)。さらに、小さな葉の形をした偽毛葉が見られる(q, r)。偽毛葉は目視では明瞭なのだが、撮影するのは意外と難しく、サフラニン染色もあまり効果はなかった(r)。 サナダゴケに近い形態をしていることから、保育社図鑑のサナダゴケ科 Plagiotheciaceae の検索表にあたると、キャラハゴケ属 Taxiphyllum に落ちる。ついで、種への検索表をたどると、キャラハゴケ T. taxirameum に落ちる。種の解説をよむと観察結果とほぼ一致巣する。平凡社図鑑ではこの属はハイゴケ科 Hypnaceae に置いている。 |
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