[標本番号:No.603 採集日:2009/03/08 採集地:栃木県、栃木市] [和名:キャラハゴケ 学名:Taxiphyllum taxirameum]
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2009年3月24日(火) |
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(a) 石灰岸壁に挟まった腐木、(b) 腐木上の植物体、(c) 採集標本、(d) 乾燥時、(e) 湿時、(f) スライドグラス上の枝葉 |
3月8日栃木県の満願寺近く、昼でも薄暗い林道石灰岩壁に挟まった細い腐木を匍う蘚類を採集していた(alt 250m)。現地でルーペで確認したところ、キャラハゴケだろうと思い持ち帰っていた。帰宅後すぐに、顕微鏡で葉身細胞の形態、偽毛葉の有無と形、茎や枝の横断面などをチェックしキャラハゴケとしてよさそうなので、そのまま標本箱にしまった。
このときは同定だけを目的に検鏡したので、ミクロの撮影などは一切しなかった。ふと、先日「キャラハゴケ属?」とした標本No.601の件が頭をよぎったので、やはりこの標本もアップすることにして、今朝改めて標本箱から取り出して、ミクロの姿などを撮影した。
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(g) |
(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
(l) |
(m) |
(n) |
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(g, h) 枝葉、(i) 枝葉中央の葉身細胞、(j) 枝葉先端の細胞、(k) 枝葉翼部の細胞、(l) 枝葉背面上部の細胞:突起部に合焦、(m) 枝葉背面上部の細胞:輪郭部に合焦、(n, o, p) 偽毛葉、(q) 枝の横断面、(r) 枝と葉の横断面 |
計測数値を含めた観察結果などは写真に語らせるとして、文字では表記しないが、この標本は典型的なキャラハゴケだろう。少数の標本個体のどれもが泥汚れがひどく、きれいな葉身細胞の姿を撮影することはできなかった。また、枝葉背面上部の葉身細胞上端の乳頭は非常に小さく、顕微鏡の合焦位置を変えてはじめて確認できるほどだった。
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