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[標本番号:No.730   採集日:2009/09/20   採集地:福島県、昭和村]
[和名:サンカクミズゴケ   学名:Sphagnum recurvum var. brevifolium]
 
2009年10月16日(金)
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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(a, b) 植物体、(c) 採集標本、(d) 標本頭部、(e) 開出枝と下垂枝、(f) 茎と茎葉、(g) 茎の表皮、(h) 茎の横断面、(i, j) 茎葉、(k) 茎葉背面上部、(l) 茎葉腹面状部

 先月21日に南会津の昭和村の小湿地(alt 1100m)で出会ったミズゴケを観察した。乾燥すると枝葉の縁が波打ち、ルーペで見ると葉緑細胞は枝葉の背面側に広く開いていた。現地では、姿などからハリミズゴケ節 Sect. Cuspidata のミズゴケで、茎葉がほぼ正三角形で小振りなことから、サンカクミズゴケかアオモリミズゴケだろうと予測していた。
 持ち帰った標本を観察するにあたって、とりあえず先入観抜きで茎や枝の表皮から観察した。茎の表皮細胞は矩形で孔はなく、横断面で表皮細胞と木質部と明瞭な境界はない。枝の表皮にはレトルト細胞が2〜3列に並び、首は短い。
 茎葉は長さ1.0〜1.2mm、ほぼ正三角形で、上部の縁が巻き込んで葉先が尖って見える。舷は上部では狭く、中央部から下部では全体に広がっている。葉緑細胞が背面に広く開き、腹面側にはほとんど開いていない。
 
 
 
(m)
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(n)
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(o)
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(p)
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(q)
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(r)
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(s)
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(t)
(t)
(u)
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(v)
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(w)
(w)
(x)
(x)
(y)
(y)
(z)
(z)
(m) 枝の表皮、(n) 枝の横断面、(o, p) 開出枝、(q) 開出枝の葉:背面上部、(r) 同前:背面中央、(s) 同前:腹面上部、(t) 同前:腹面中央、(u, v) 下垂枝の葉、(w) 下垂枝の葉:背面中央、(x) 同前:腹面中央、(y, z) 枝葉の横断面

 開出枝の葉は長さ1.8〜2.2mm、披針形〜卵状披針形。下垂枝の葉は長さ1.0〜1.4mm、卵状披針形。枝葉の横断面で、葉緑細胞は二等辺三角形〜正三角形で、背面側に広く開き、腹面側には達していない。開出枝の葉ではやや不明瞭だが、下垂枝の葉の透明細胞腹面には円形や半円形の偽孔がある。

 乾燥すると枝葉の縁が波打ち、枝葉の横断面で透明細胞が背面側に広く開き、茎葉が三角形で下半で舷が幅広く広がっていることから、ハリミズゴケ節の蘚類には間違いない。平凡社図鑑の検索表をたどると、サンカクミズゴケあるいはアオモリミズゴケ、コサンカクミズゴケとなる。滝田(1999)の検索表からはサンカクミズゴケに落ちる。滝田のサンカクミズゴケの解説を読むと、ほぼ観察結果と一致する。