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[標本番号:No.735   採集日:2009/10/13   採集地:青森県、東通村]
[和名:ダチョウゴケ   学名:Ptilium crista-castrensis]
 
2009年10月25日()
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
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(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a〜c) 植物体、(d) 採取標本、(e) 茎と枝、(f〜i) 茎葉:赤色はサフラニン染色[以下同]、(j) 茎葉の葉身細胞、(k) 同前:先端部、(l) 同前:基部

 青森県下北半島の北東端近くの猿ヶ森海岸の砂丘(alt 10m)でキノコ観察をしているとき、美しいダチョウゴケの大群落に多数であった。この砂地はマツタケやシモコシといった優秀な食菌がとれることでも知られる。ダチョウゴケというと、亜高山帯針葉樹林の蘚類といったイメージがあり、これまでは富士山五合目、岐阜県安房平といった標高1,500〜2,300mの場所でしか見たことがなかった。他にも、この砂地では何種類もの亜高山生のコケに出会った。
 ダチョウゴケは目視だけで直ぐに同定でき、先に詳細な観察をしている(標本No.478)ので、ここでは文字によるていねいな記述はせずに、主に画像を列挙することにした。スライドグラスに茎葉や枝葉を並べて撮影すると、コントラストが弱くてはっきりしない。そこで、ミズゴケで常用するサフランで葉などを染めての撮影もしてみた。
 
 
 
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
(s)
(s)
(t)
(t)
(u)
(u)
(v)
(v)
(w)
(w)
(x)
(x)
(m, n) 茎葉の横断面、(o〜q) 枝葉、(r) 枝葉の葉身細胞、(s) 同前:先端部、(t) 枝葉の横断面、(u) 茎の横断面、(v) 枝の横断面、(w) 茎の表皮、(x) 枝の表皮

 保育社図鑑には「茎の横断面で,表皮細胞はあまり分化しないが,枝の表皮細胞は大きくて薄膜」と記述されている。しかし、先の標本No.478でも本標本でも、茎の表皮細胞は明瞭に分化し、小さくて厚壁(u)。枝の横断面では、表皮細胞はほとんど分化せず、大きくて薄膜であり、中心束もない(v)。また、「茎,枝の表面には披針形の偽毛葉がある』と記述されているが、本標本では偽毛葉は見つからなかった(w, x)。