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[標本番号:No.781 採集日:2009/10/14 採集地:岩手県、一関市] [和名:ワタミズゴケ 学名:Sphagnum tenellum] | |||||||||||||
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10月中旬の頃、秋田・岩手・宮城三県にまたがる栗駒山に登った。途中登山道脇に何ヵ所も湿原や湿地がある。標高1100〜1200mあたりの径脇の水流に、柔らかい感じで背丈の低いミズゴケが群落を作っていた(a)。 茎は高さ3〜5cm、表皮細胞は矩形で孔はなく、横断面で表皮細胞は2層で木質部とは明瞭な境界がある。茎葉は長さ1.2〜1.5mm、舌形で葉先は円頭で数個の歯がある。葉頂付近では、縁が巻き込み僧帽形となり、ちょっと見た目には尖ってみえる(e, h, i)。葉縁の舷は上部では狭いが、下部では大きく広がる。茎葉の横断面で葉緑細胞は背面側に広く開き(x)、背面上部の透明細胞には偽孔が、背面中央部にはわずかに孔もある(j, k)。茎葉腹面の透明細胞には偽孔もまばらで、孔はない(l, m)。 |
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枝の表皮には首の長いレトルト細胞が3列に並ぶ(n, o)。枝葉は長さ1.1〜1.5mm、楕円状披針形で深く凹み、葉頂に数個の歯がある(p, q)。枝葉背面中央の透明細胞には少数の偽孔があり、腹面の透明細胞にはさらにまばらに偽孔がある(r〜u)。枝葉の横断面で葉緑細胞は三角形〜台形で、背腹両面に開き、背面側により広く開いている。 枝葉横断面で葉緑細胞が背面側に広く開き、透明細胞には多数の子孔がないからハリミズゴケ節 Sect. Cuspidata のミズゴケとなる。ついで、茎葉が枝葉と同じような形とサイズで、枝の表皮細胞に首の長いレトルト細胞があるから、ワタミズゴケ S. tenellum となる。 |
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