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[標本番号:No.797 採集日:2009/12/02 採集地:埼玉県、越生町] [和名:カガミゴケ 学名:Brotherella henonii] | |||||||||||||
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一昨日奥武蔵の小沢に沿った林道の道路脇で(alt 440m)、樹木の下部の幹から根にかけて、ツヤのあるコケが厚いマットを作っていた(a〜c)。茎は基物上をはい、羽状に枝をだし、扁平に葉をつける。葉を含めた枝幅は1.5〜2.0mm、乾燥しても葉は平面的に展開したまま。 茎葉は長さ1.5〜2.0mm、卵形で急に細くなって葉先は尖り、葉縁は全縁で上半に微歯をもつものもある。中肋はなく、葉の基部には黄褐色の狭い翼部が広がる(f〜i)。枝葉は狭卵状披針形で、長さ1.4〜1.8mm、葉先は急に細くなって尖り、茎葉と比較してやや細め。枝葉の上半には顕著な歯があり、中肋はない(k〜m)。 |
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茎葉も枝葉も葉身細胞はほぼ同じなので、ここでは枝葉について記す。葉身細胞は線形で、長さ80〜130μm、幅5〜7μm、薄膜で平滑(n)。葉先では短く幅広となり(o)、基部には大形薄膜の細胞が1列に並び、顕著な区画を作っていて、左右両端の細胞が大きい(p)。 茎や枝の横断面に中心束はなく、表皮にはやや厚壁の小形の細胞が並ぶ(r)。また茎や枝に毛葉は偽毛葉はなく、無性芽もみられない。 ナガハシゴケ科 Sematophyllaceae カガミゴケ属 Brotherella の蘚類だろう。平凡社図鑑には日本産4種とあって、「本属の研究はまだ十分でなく,分類が困難」と記され、うち2種について解説がなされている。検索表からはカガミゴケ B. henonii に落ちる。種の解説を読むと、観察結果とおおむね一致する。 |
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