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[標本番号:No.801 採集日:2009/12/02 採集地:埼玉県、越生町] [和名:チャボホラゴケモドキ 学名:Calypogeia arguta] | |||||||||||||||||||
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埼玉県の沢沿いの林道で久しぶりに苔類を採取した(alt 440m)。日陰の湿った土に広がっていた苔類は、枝の先端が棒状となって立ち上がり、その先端は白緑色の塊となって輝いていた(a)。ルーペでみると、立ち上がった枝は透明で、先端の粉状のものは無性芽らしい(b, p, q)。 茎は長さ0.8〜1.2cm、扁平気味に左右に葉を広げ、葉を含めた茎の幅は1.0〜1.2mm、葉を倒瓦状につける。茎の横断面はやや扁平気味で、葉をつける部分の細胞が大きい(o)。ムチゴケ型の分枝をする(m, n)。葉は接在し、広舌形〜卵状三角形で、長さ0.5〜0.8mm、腹縁の基部が長く下延し、葉先がU字形に2裂する(g, h)。葉の基部の幅は、12〜16細胞。葉身細胞は六角形、トリゴンはなく、薄壁で長さ30〜50μm(i, j)。油体は各細胞に2〜5個、円形〜紡錘形で、微粒の集合。腹葉は、幅が茎幅よりやや広く、1/2まで深く2裂し、裂片はさらに2裂し、小裂片は披針形(k, l)。腹葉の基部からは多数の仮根が伸びる。茎の先は立ち上がり、鞭枝状となり、小さな葉をつけ、先端には無性芽を無数につける(q)。無性芽は1〜2細胞で、多くは類球形(r)。 葉を倒瓦状につけ、小さな腹葉があり、ムチゴケ型分枝をすることなどから、ツキヌキゴケ属 Calypogeia の苔類だろう。平凡社図鑑で種への検索表をたどると、すんなりとチャボホラゴケモドキ C. arguta に落ちる。種の解説を読むと、観察結果とほぼ合致する。解説に「(葉身細胞は)ベルカ状」とあるが、はっきりと確認できなかった。全国的に普通にみられる苔類のようだ。 |
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