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[標本番号:No.826 採集日:2009/12/13 採集地:栃木県、鹿沼市] [和名:ススキゴケ 学名:Dicranella heteromalla] | |||||||||||||
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前日光林道を足尾方面に向かう途中、粕尾峠下で(alt 840〜900m)、日陰の土の斜面に群生していた蘚類を採取した(a)。現地でははっきりわからなかったが、標本を開いてみると、おおざっぱに2種の群落に分けられた(b, c)。ここで取り上げたのは、黄色矢印で示した標本だ。 標本には長い柄を持った朔をつけた個体が2つ含まれていた(d)。茎は高さ5〜15mm(b, c)。葉は長さ2.5〜3.5mm、三角形の基部から漸尖して長く延び(e, f)、尖端付近の縁と背面には小さな歯がある(g)。中肋は基部では1/3〜3/10ほどの幅があり、中央部から先では葉幅の大部分をしめる(h, i)。葉身細胞は、基部から中央部の細胞(中肋以外の)では矩形で長さ20〜45μm、薄膜で平滑(i)、鞘部の上部では長くなり50〜60μm。翼部の細胞は分化しない。中肋部表面の細胞は矩形で50〜80μm。葉横断面で中肋にはガイドセルとステライドがある(j〜l)。茎の横断面に中心束はない(m)。 |
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朔柄は黄色で長さ1cm前後で、大きく湾曲している(d)。朔は卵形で軽く曲がり、非相称、僧帽形の帽、長い嘴をもった蓋がある(n, o, p)。朔歯は一重で、16枚。朔歯は披針形で、中央部から上では2裂し、上部には小さな乳頭があり、下部には細かな縦条が目立つ(r, s, t)。胞子は径20〜25μm(u)。朔には気孔は見当たらなかった(v)。 シッポゴケ科 Dicranaceae ススキゴケ属 Dicranella の蘚類だろう。平凡社図鑑のよれば日本産は約20種あり、際だった特徴が少なく、分類はむずかしい、とある。検索表をたどると、ススキゴケ D. heteromalla に落ちる。種の解説を読むと、観察結果とほぼ符合する。以前観察したススキゴケ(標本No.171)と比較して、葉が全体にやや細長い。 |
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