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[標本番号:No.851 採集日:2010/02/21 採集地:千葉県、鋸南町] [和名:クシノハゴケ 学名:Ctenidium capillifolium] | |||||||||||||||||||
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先月21日千葉県南房総の鋸山近くで、岩に着いていたコケを採集した(alt 330m)。なかなか観察する時間がとれなかったが、ようやく観察することができた。 茎は岩をはい不規則羽状に枝をだし、葉を密につける。葉の姿は乾燥時も湿時もあまり変わらず、茎葉は茎に対して直角近くまで、枝葉は枝に対して60〜80度くらいまで開出する(c, d)。枝は葉を含めて幅1.0〜1.5mm。茎の横断面で表皮細胞は厚膜で小さく、中心束がある(p)。 茎葉は、長さ1.3〜1.8mm、下部が卵形〜三角形で、急に針状に尖って長く伸び、最広部で幅0.5〜0.6mm、基部は心臓形でやや下延する(f, g, j)。葉縁の全周にわたって細かい歯があり、中肋は2本でごく短くほとんど目立たたない。葉身細胞は線形で、長さ35〜50μm、幅4〜6μm、平滑でやや厚膜(h, q)。翼部はあまり発達せず、矩形〜方形の細胞が並ぶ(j)。 枝葉は長さ1.0〜1.6mm、長卵形の基部から漸尖し、最広部で幅0.4〜0.5mm、基部はやや下延し、葉の全周に渡って微歯がある。中肋は弱く短いものが2本あるが、目立たない(k, l)。葉身細胞や基部の様子は茎葉とほぼ同様(m, n, o)。偽毛葉の有無や形はよく分からない。
クシノハゴケ属 Ctenidium の蘚類だと思う。保育社図鑑からは、クシノハゴケ C. capillifolium に近いと思われるが、コクシノハゴケ C. hastile にも近い要素がある。それでも解説をよく読むと、クシノハゴケに近い。一方、平凡社図鑑からは、クシノハゴケが浮かび上がる。 |
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