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[標本番号:No.858 採集日:2010/04/01 採集地:茨城県、小美玉市] [和名:ヤノウエノアカゴケ 学名:Ceratodon purpureus] | |||||||||||||||||||
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茨城空港の南側、土手の脇に赤色〜黄褐色の朔柄を多数つけた蘚類が群生していた。茎は直立し、高さ0.8〜1.2cm、緑色部分は0.5〜0.8cm。茶色の下半部は、崩れた褐色の葉をつけ、他の個体と絡み合うように密集している。黄褐色〜赤色の朔柄を無数につけていた。 葉は幅広の披針形で、長さ0.8〜1.6mm、乾燥すると巻縮する。葉縁は全縁で、縁は背側に巻き、先端部には微細な歯がある。中肋は太く強靱で葉先に達する。葉身細胞は、葉の中央部で方形〜短い矩形で、長さ8〜16μm、やや厚壁で平滑。翼部は明瞭には分化せず、矩形の細胞が整然と並ぶ。葉の横断面をみると縁が背側に巻いていることがよく分かる。中肋にはガイドセルがあり、背腹両面にステライドがある。 苞葉は透明な鞘部と急に細くなって尖った先端部からなり、中肋が先端に達し、葉身細胞は方形〜矩形で、細胞壁は厚く、鞘部の細胞は長い矩形となっている。 |
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朔柄は葉腋から出て、黄褐色〜赤色で長さ1.5〜2.5cm、表面は平滑。朔は直立からやや傾いてつき、緑色からやや赤みを帯び、長さ2mm前後、円筒形で非相称、基部の下側に目立たない小さなこぶがある。蓋は短い三角錐で、僧帽型の帽をつける。朔の基部には気孔がある。口環がよく発達している。朔歯は一重で16枚からなり、基部近くまで深く二裂し、孟宗竹の節を思わせるような円盤状の構造が発達している。上部では節の間隔が広く基部に近づくにつれて間隔が狭くなる。この円盤状の縁はフリル状となっている。 朔は若く、まだ充分に成熟したものはなかった。従って胞子も未成熟で小さい。キンシゴケ科 Ditrichaceae のヤノウエノアカゴケ Ceratodon purpureus だろう。 |
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