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[標本番号:No.0864 採集日:2010/04/11 採集地:神奈川県、清川村] [和名:エゾキヌタゴケ 学名:Homomallium connexum] | |||||||||||||
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神奈川県東丹沢の本谷川の河原で(alt 445m)、湿った岩についたコケを観察した(a, b, c)。茎葉岩の表面を匍い、不規則に長さ6〜12mmの枝を出し、枝は直上し、葉を丸くつける。乾燥すると葉は緩く枝に接し(d)、湿ると展開する(e)。葉を含めた枝の幅は0.3〜1.0mm。 茎葉と枝葉とは同じ形で、わずかに大きさが異なる(f, g, i)。枝葉は長さ1.2〜1.7mm、葉縁はほぼ全縁、卵形で深く凹み先端は急に細くなって伸びる。中肋は基部で二叉し、葉長の1/2〜1/4に達する。葉身細胞は線状六角形〜線状楕円形でウジ虫状で、長さ30〜35μm、幅5〜6μm、ほぼ平滑だが(j)、一部の葉身細胞の背面上端には目立たない乳頭も見られる。葉の翼部の細胞は小形で方形で、5〜8列がやや暗い区画をなし、葉縁にそって25〜30個が縦に並ぶ(h, l)。 |
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中肋の横断面をみると、あまり分化していない(m, n)。茎や枝の横断面には弱い中心束があり、表皮は厚壁の小さな細胞からなる(o)。雌苞葉は長卵形で葉先は長く伸び、ほぼ全縁(p, q, r)。雌苞葉の葉身細胞は線形で、長さ50〜80μm、基部の細胞は方形で薄膜(s, u)。 朔柄は赤褐色で長さ15〜22mm、表面は平滑。朔は長卵形で傾いてつき、非相称、円錐形の蓋、僧帽状の帽をもつ(v, w)。朔の基部には気孔がある(x)。なお、偽毛葉などはみられない。 キヌタゴケ属 Homomallium のエゾキヌタゴケ H. connexum だろうと思う。朔をつけた個体は多かったが、何れも未成熟で、蓋を取り外して朔歯を観察することはできなかった。採取した個体の多くは、茎が短く千切れてしまい、きれいな形で残った茎葉は少なかった。 |
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