(m) 葉幅広部の横断面、(n) 葉基部の横断面、(o) 茎の横断面、(p) 胞子体、(q) 朔と帽、(r) 朔・蓋・帽、(s, t) 気孔、(u) 朔歯、(v) 朔歯下部、(w) 朔歯上部、(x) 胞子 |
朔柄は長さ3〜4mm、黄色で表面は平滑。朔はやや傾いてつき、長さ2mm前後で非相称、基部腹側に小さなこぶがある。朔の蓋は嘴状で、僧帽形の帽がある。朔歯は一重で16枚、披針形で赤褐色、中程から深く二裂し、下部表面には細かな縦条がある。胞子は球形で、径18〜25μm。
コブゴケ属 Onchophorus のチジミバコブゴケ O. crispifolius だろう。持ち帰った標本の朔は、蓋を取ると、朔歯が簡単に崩れてしまうものが多く、整った形の朔歯を取り出すことができなかった。また、採集した標本は、一つの塊のなして葉の形もそっくりに見えたが、チジミバコブゴケの他に朔が直立して相称のシッポゴケ属チジレゴケ属らしき蘚類が1/3ほど混じっていた。実体鏡の下で葉の形をみながら分別して、新たに標本No.879を与えることにした。
[修正と補足:2010.04.26]
標本No.866と同じ林道の岩壁でチジミバコブゴケと思われる蘚類を採取した。標高で約50m高く、距離は3kmほど上流に進んだ場所だった。わざわざ新たに観察覚書を書くのはやめて、ここに採取データのメモと、朔歯を中心とした画像だけを追加した。
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