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[標本番号:No.0870   採集日:2010/04/11   採集地:神奈川県、清川村]
[和名:コツボゴケ   学名:Plagiomnium acutum]
 
2010年4月27日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
(a) 植物体、(b) 標本:乾燥時、(c) 標本:湿時、(d) 乾燥時、(e) 湿時、(f, g) 葉、(h) 葉基部は長く下延する、(i) 葉縁の舷、(j) 葉身細胞、(k) 葉上部縁の葉、(l) 葉の基部近く、(m) 葉の横断面、(n, o) 葉中肋付近の横断面、(p) 茎の横断面、(q) 胞子体、(r) 朔

 丹沢の本谷川林道を歩いていると、あちこちでコツボゴケ Plagiomnium acutum が新鮮な朔を多数つけていた。このコケについては、フィールドでもルーペだけでほぼ見分けられるようになっているので、採取するつもりはなかった。しかし、過去に朔歯の画像を撮った記憶がないので、持ち帰ってきた。採取したのは、道脇の石垣の上に群生していたものだ(alt 520m)。
 この蘚類がコツボゴケであることの根拠は、文字では記さず画像を列挙した(a〜p)。現地では、充分成熟した朔をつけた個体がかなりあるように思えたが、持ち帰った標本を見ると、いずれもまだ充分成熟しておらず、蓋を分離することができなかった。また、長時間水没させておいても、朔が元の姿には戻らなかった(r)。
 
 
 
(s)
(s)
(t)
(t)
(u)
(u)
(v)
(v)
(w)
(w)
(x)
(x)
(s) 内側から見た朔歯、(t) 未成熟な外朔歯の一部、(u) 未成熟な外朔歯の基部、(v) 内朔歯、(w) 内朔歯の基部、(x) 内朔歯の上部

 朔の開閉の様子を撮影したかったのだが、それができないので、朔をカミソリで縦に切って、内側から朔歯を観察した(s)。内朔歯はほぼ完成していたが(v)、外朔歯はまだほとんどできておらず、ごくわずかに蓋から取り外せるものがある程度だった(t, u)。内朔歯の基礎膜には穴が多数あり、歯突起にも特徴的な円形の切れ込みがある。歯突起や間毛の表面は微細な乳頭に被われる。朔歯の開閉と外朔歯の画像は次の機会に譲ることになった。