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[標本番号:No.0910 採集日:2010/05/02 採集地:岡山県、高梁市] [和名:ジムカデゴケ 学名:Didymodon rigidicaulis] | |||||||||||||||||||
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岡山県高梁市の磐窟渓の石灰岩地帯で採取したセンボンゴケ科 Pottiaceae の蘚類を観察した。半日陰の石灰岸壁や石灰岩の砂利上に群生していた(alt 460m)。植物体は褐色を帯び、茎は高さ1〜2.5cm、ゴワゴワして硬い感触で、湿ると葉が背側に反り返り、乾燥すると葉先が上側に向き軽く捻れて葉に接する。 葉は卵形の広い基部から披針形となり、長さ1.5〜2.0cm、全体が弓なりに背側に反り返り、葉下部の縁は反曲する。中肋が葉頂近くまで達し、中肋を軸として竜骨状に折りたたまれる。葉身細胞は丸みを帯びた多角形で、長さ8〜12μm、厚膜で表面に複数の顕著な乳頭がある。中肋背面の表皮細胞にも葉面と同じような形の乳頭がある。葉の下部〜基部の葉身細胞では乳頭のないものがあり、中肋背面はほぼ平滑。葉のKOH反応は赤色。葉の横断面で中肋にはガイドセルがあり、葉の基部近くではステライドも見られる。茎の横断面には弱い中心束があり、表皮は厚壁の小さな細胞からなる。
朔をつけた個体は見あたらなかった。また、葉腋毛の有無は確認できなかった。朔を観察できないので、保育社の検索表をそのまますんなりとたどることはできない。「・・・ではない」法で検索表をたどるとネジクチゴケ属 Barbula に落ちる。ジムカデゴケ B. reflexa の解説を読むと観察結果とほぼ一致する。ジムカデゴケは平凡社図鑑ではフタゴゴケ属 Didymodon となっていて、学名もD. rigidicaulis となっている。観察結果は平凡社図鑑の解説ともよく符合する。 |
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