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[標本番号:No.0916   採集日:2010/05/03   採集地:岡山県、新見市]
[和名:ホソバツヤゴケ   学名:Orthothecium rufescens]
 
2010年5月9日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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(m)
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(n)
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(o)
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(p)
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(q)
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(r)
(r)
(a, b) 植物体、(c, d) 標本、(e) 乾燥時、(f) 湿時、(g, h, i) 葉、(j) 葉下半:中肋が2本ある、(k) 葉縁は狭く反曲、(l) 葉中央付近の葉身細胞、(m) 葉中央上部の葉身細胞、(n) 葉の翼部、(o) 葉の先端、(p) 葉の横断面、(q) 茎の横断面、(r) 茎の表皮細胞

 岡山県新見市で鍾乳洞入口付近の石灰岸壁に美しいコケが着いていた(alt 460m)。細い紐状の蘚類で、枝先の葉が赤色で非常に印象的な姿をしている。植物体は不規則に分枝し、葉を含めた枝の幅は2〜3mm、枝は長く20cmを超えるものがある。葉は乾燥するとごくわずかに縮れるが展開したままで、縦しわが湿時よりも明瞭となる。
 葉は長さ2.2〜2.6cm、二等辺三角形〜披針形で漸尖して先は細くなり鋭頭で、葉面には深い縦しわがあり、葉縁は全縁で狭く反曲し、葉の基部は赤褐色を帯びる。中肋は弱く短いものが二本ある。葉身細胞は線形で、長さ50〜150μm、幅3〜4μm、やや厚膜で、随所によわい括れがあり、表面は平滑。翼部は厚膜で括れのある幅広野楕円形〜矩形の細胞が並ぶ。葉の横断面で、中肋は葉身細胞と同じような細胞が複数層をなしている。茎の横断面には中心束があり、表皮細胞は厚膜でパイプ状の小形細胞からなり、その外側を上表皮のような膜が覆う。

 特徴的な姿と色から一目でホソバツヤゴケ Orthothecium rufescens だとわかった。念のために葉の断面を切ってみたりしたが、ほとんどの葉に石灰の微粒が多数こびりついていて、直ぐにカミソリが切れなくなる。葉身細胞や葉の部分撮影は、すべてこのミクロレベルの石灰粒を取り除きながらの作業となり、かなり難儀した。