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[標本番号:No.0877   採集日:2010/04/11   採集地:神奈川県、清川村]
[和名:コガネハイゴケ   学名:Campyliadelphus chrysophyllus]
 
2010年5月25日(火)
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a, b) 植物体、(c) 採取標本、(d) 乾燥時、(e) 湿時、(f, g, h) 葉、(i) 葉身細胞、(j) 葉の先端、(k) 葉の翼部、(l) 枝と葉の横断面

 4月11日に丹沢の本谷川の林道で採取したコケのうち、残っていた標本を観察した。林道の法面や岩の隙間に貯まった土の上に群生していた蘚類で、黄緑色から褐色を帯び柔らかい。茎は匍い、長さ3〜5cm、不規則に分枝し、枝は斜上し、葉を含めた枝の幅は1.2〜1.6mm。乾いても葉は反り返るように広く展開したままで、湿っているときの姿とあまり変わらない。
 葉は長さ1.0〜1.3mm、二等辺三角形を思わせる広い披針形で、長く漸尖し葉先は細く尖る。葉縁は全縁で、一部の葉では翼部の周辺に小さな歯がある。中肋は葉長の1/2を超える。葉身細胞は線形で、長さ25〜50μm、幅4〜6μm、やや厚膜で表面は平滑。翼部は明瞭には分化せず、方形〜矩形の細胞が並ぶ。茎の横断面には弱い中心束があり、表皮細胞はやや大きく薄膜。葉の横断面で、中肋にはステライドやガイドセルはない。

 ヤナギゴケ科 Amblystegiaceae のコガネハイゴケ Campyliadelphus chrysophyllus だろうと思う。学名の種小詞 chrysophyllus はギリシャ語由来の "chryso-" (黄金色の) +ラテン語起源の "phyllum" (葉) からできている。葉の色は自然状態のままでも明褐色〜黄金色を帯びたものがあるが、緑色の葉をKOHで封入するとやがて黄金色に変色した。