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[標本番号:No.0924 採集日:2010/05/15 採集地:山梨県、鳴沢村] [和名:ホソバギボウシゴケ 学名:Schistidium strictum] | |||||||||||||||||||
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富士山山梨県側の船津林道で、陽当たりのよい溶岩上に暗赤褐色の小さなコケがあちこちに小さな塊をつくっていた(alt 1140m)。茎は長さ1.5〜2.0cm、わずかに枝分かれする。葉は茎上部についた若い葉だけが緑色で、大部分の葉は褐色を帯び、長さ1.5〜2.0mm、長卵状披針形で先端は透明尖となる。葉縁は全縁で中肋が先端から突出し、上半部では中肋を軸に竜骨状となり、下半部の縁は狭く反曲する。中肋背面はほぼ平滑。葉身細胞は丸みを帯びた方形で、長さ6〜8μm、厚膜で平滑。葉縁基部の細胞は厚膜の矩形で、縦壁に比して横壁の幅が広い。葉の横断面で中肋にはガイドセルもステライドもなく、中肋の腹面側が軽く凹み、背面側に大きく突出する。茎の横断面に中心束はなく、表皮細胞は厚膜でやや小さい。 |
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朔は雌苞葉に沈生し、乾燥すると朔歯を反り返るように展開し、湿ると閉じる。雌苞葉は他の葉と形やサイズは変わらず、先端の透明先も特に長いことはない。朔柄は短く0.2〜0.3mm。朔は円筒状卵形で長さ0.6〜0.8mm、縁に口環はなく、表皮は薄膜で矩形の細胞からなり、基部近くに気孔がある。朔歯は一重で16枚、褐色〜赤褐色の披針形で、不規則な孔があり、表面は微細な乳頭に被われる。胞子は小さく、径10〜12μm。
帽や蓋をつけた朔は見あたらなかった。また朔には胞子が殆ど残っていなかった。 |
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