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[標本番号:No.0941 採集日:2010/05/16 採集地:山梨県、鳴沢村] [和名:イワダレゴケ 学名:Hylocomium splendens] | |||||||||||||||||||
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富士山の四合目〜五合目の樹林帯の林床には、イワダレゴケとタチハイゴケが優占種として最も広く分布している。5月に出かけたとき、この両種については採取するつもりはなかったのだが、両者共に朔をつけた個体がいくつもあったので一部を持ち帰っていた。 苞葉と朔を観察するのが採取した目的だったが、残念ながら朔は若すぎるものと、胞子を包む膜やらカビがこびりついて朔歯が開かず崩れたものばかりだった。朔歯の観察は後日の課題となった。ここでは、雌苞葉を除いて、配偶体についての文字による記述は省略した。 雌苞葉は茎葉より長く、長さ2〜3mm、鞘状の基部から急に細くなって芒となって伸びる。雌苞葉の葉身細胞は、茎葉や枝葉のそれよりずっと大きく、長さ60〜120μm、厚膜で、基部ではやや大形の矩形〜六角形となり膜は薄い。 |
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朔は卵形で、僧帽状の帽とやや長い嘴状突起をもった蓋がある。朔歯は二重で各々16枚。外朔歯は披針形で、下部には横条があり上部は細かい乳頭に覆われる。内朔歯の基礎膜は高く、歯突起のほか間毛が見られる。朔の基部には気孔がある。 外朔歯と内朔歯は比較的楽に分離できた。しかし、外朔歯の先端やら内朔歯の表面には、胞子と菌糸がベッタリとまとわりついて、どうやっても取り除くことができなかった。また、朔が古くなりすぎたせいか、気孔も鮮明な姿を捉えられなかった。 |
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