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[標本番号:No.0970 採集日:2010/06/12 採集地:長野県、山ノ内町] [和名:ミヤマスギバゴケ 学名:Lepidozia subtransversa] | |||||||||||||
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6月12日に長野県の志賀高原で採集した苔類の二つ目を観察した。標高1,600mあたりの針葉樹林内で、洞の入り口付近のジメジメした岩や腐植土上に、ミズゴケ類などと一緒に、垂れ下がるようにして群生していた。茎は長いものでは6cmを超えていた。 茎は幅0.3〜0.7mm、葉を含めた幅は0.6〜1.0mm、2〜3回羽状に分枝し、茎下部から出る枝の先は鞭状となって伸びる。茎の上部の葉は接在し、中程から下部の葉は離在する。枝葉は離在〜接在する。鞭枝の先には仮根をつけたものがある。 葉は茎に斜めにつき、葉長の1/2まで三裂〜四裂し、裂片は三角形で、基部の幅は6〜9細胞。葉身細胞は多角形で長さ20〜40μm、厚壁でトリゴンはなく、表面は平滑。腹葉は離在し、四角形で1/3〜1/2まで四裂し、裂片は披針形で、裂片基部の幅は4〜6細胞。 採取後早い時期に観察しなかったこともあって、油体の様子はわからない。いずれにせよ、スギバゴケ属 Lepidozia の苔類には間違いない。平凡社図鑑の検索表からは、ハイスギバゴケ L. reptans とミヤマスギバゴケ L. subtransversa の二つが候補にあがる。両者の解説からは、ミヤマスギバゴケと思われる。なお、平凡社図鑑にはミヤマスギバゴケについての解説がないが、保育社図鑑には両者の解説がある。 |
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