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[標本番号:No.0985 採集日:2010/08/11 採集地:栃木県、日光市] [和名:イタチゴケ 学名:Leucodon sapporensis] | |||||||||||||||||||
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8月に奥日光に出向いたとき、倒れたカンバの樹皮についていたイタチゴケ属 Leucodon の蘚類を持ち帰っていた(alt 1400m)。残念ながら朔をつけた個体は見あたらなかった。 乾燥すると葉が茎に密着し、湿ると葉の上半部が反り返るように展開する。一次茎は細く樹皮をはい、密集する二次茎は立ち上がって長さ3〜6cmとなり、わずかに分枝する。茎の横断面には中心束があり、表皮細胞は厚膜で小さい。 二次茎の葉は長さ2.5〜3.2mm、楕円形〜卵形の基部から漸尖して鋭頭、葉面には深い縦皺があり、葉縁は全縁。中肋はない。葉身細胞は、長楕円形〜線形で、長さ35〜55μm、膜はやや厚く、平滑、葉縁近くでは短い。葉の上半部と下部、中央部と縁部近くとでは、葉身細胞の長さがかなり違う。翼部は葉長の1/4〜1/3程度で、葉身細胞は方形で厚壁、平滑。 朔の状態がわからないので、同定はかなり困難と思われる。平凡社図鑑の検索表からはイタチゴケ L. sapporensis ないしトガリイタチゴケ L. nipponicus と思われる。翼部の展開の仕方、葉上部の葉身細胞の壁の厚さ、発生地域などを考慮すると、トガリイタチゴケの可能性は低い。イタチゴケとしてよさそうだ。 |
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