[標本番号:No.0990 採集日:2010/08/25 採集地:山梨県、鳴沢村] [和名:チャボスズゴケ 学名:Boulaya mittenii]
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2010年10月5日(火) |
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(a, b) 植物体、(c) 標本:乾燥時、(d) 標本:湿時、(e) 乾燥時、(f) 湿時、(g, h) 茎葉、(i) 茎葉の葉身細胞、(j) 茎葉の基部、(k) 茎葉の先端、(l) 茎葉中央部の縁 |
8月25日に富士山で採取した蘚類がひとつ残っていた。標高1860m付近の針葉樹の樹幹を広く被っていた。一次茎葉樹幹を這い、二次茎を規則的に羽状に出す。それぞれの二次茎は斜上し、長さ3〜5mmの枝を出す。茎葉も枝葉も乾燥すると茎や枝に密着し、湿ると彙状に葉を展開する。茎や枝には糸状〜小葉状の毛葉が多数ついている。
茎葉は長さ1.1〜1.6mm、広卵状の基部から急に細くなって波打ち、先端は針状に尖る。中肋は葉頂には至らず、鋭尖部の中程で消える。枝葉は長さ0.8〜1.2mm、卵型の基部から長く尖る。中肋は葉頂下で消える。葉身細胞は、茎葉でも枝葉でもほぼ同様で、不規則な方形〜六角形、厚壁で、長さ8〜15μm、葉基部と葉先ではやや長い。葉身細胞の表裏には1〜2個の小さな乳頭がある。葉の横断面で中肋にステライドはない。茎や枝の横断面に中心束はなく、表皮細胞は厚膜で小さい。しばしば茎葉や枝葉の基部近くの中肋からも毛葉がでる。
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(m, n) 枝葉、(o) 枝葉の葉身細胞、(p) 枝葉の葉身細胞:合焦位置3通り、(q) 枝葉の基部、(r) 枝葉の先端、(s, t) 枝葉の横断面、(u, v) 毛葉、(w) 茎の横断面、(x) 枝の横断面 |
シノブゴケ科 Thuidiaceae チャボスズゴケ属 Boulaya のチャボスズゴケ B. mittenii だと思う。朔をつけた個体は見あたらなかった。平凡社図鑑によれば「雌雄異株で朔は稀」とある。
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