HOME | 観察覚書:INDEX | back |
[標本番号:No.0997 採集日:2010/10/10 採集地:愛媛県、西条市] [和名:ヤマトフデゴケ 学名:Campylopus japonicus] | |||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||
10月10日に愛媛県の石鎚山北面の高瀑渓谷に遊んだ(a)。駐車場(alt 1,00m)脇の岩や土を広くシッポゴケ科 Dicranaceae の蘚類が被っていた(b)。ツリバリゴケ属 Campylopus のヤマトフデゴケらしいと思い持ち帰っていた。胞子体をつけた個体がないか探したが見つからなかった。 茎は立ち上がり、長さ3〜4cm、わずかに枝分かれし、下部は褐色の仮根に被われ葉も赤みを帯びている。上部の葉は黄緑色でやや光沢がある。乾燥しても葉が縮れることはなく、軽く茎に接し気味となるだけで、乾湿であまり状態に変わりない。 茎の上半部の葉は、長さ5〜7mm、幅広の基部から細長く針状に伸び、上半部で軽く屈曲する。中肋は幅広く、下部では葉幅の1/2ほどあるが、中央部から上では葉幅の大半を中肋が占める。葉の先端は芒となって伸び小さな歯がある。葉の翼部は明瞭に分化し褐色を帯びる。 葉の中央部で葉身細胞は菱形で、中肋よりで長さ30〜35μm、葉縁寄りで長さ12〜20μm、平滑でやや厚膜。葉の中央以で中肋の横断面をみると、中央部に大形のガイドセルがある。腹面側には薄膜で大形の細胞が1列に並び、背面側には中形の細胞に挟まれて厚膜のステライドが発達している。翼部の細胞は複数層からなり、大形薄膜で、褐色を帯びている。茎の横断面には中心束があり、表皮細胞はやや大形で薄膜。 |
|||||||||||||||||||