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[標本番号:No.1013 採集日:2010/10/11 採集地:高知県、本川村] [和名:スギバゴケ 学名:Lepidozia vitrea] | ||||||||||||||||
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高知県の自然公園の沢で、しばしば水を浴びる位置に転がった落枝にスギバゴケ属 Lepidozia の苔類がついていた(alt 600m)。 茎ははい、長さ2〜3cm、羽状にヤスデゴケ型に枝分かれする。枝先が長く鞭状になったものがある。腹面から鞭状に伸びた枝はない。葉は離在し茎に斜め扁平につくが、茎上半部の枝では倒瓦状に接在し鞭状に延びるものは少ない。葉は1/3〜1/2まで3〜4裂し、軽く内曲し、長さ0.2〜0.4mm、幅0.2〜0.3mmで、茎径と同じかやや小さい。葉掌部は4〜5細胞高。葉身細胞は多角形で、長さ30〜40μm、細胞壁はやや厚く、平滑。トリゴンは小さい。葉裂片基部は2〜3細胞幅。油体は、各細胞に5〜8個あり、卵形〜紡錘形で微粒の集合。腹葉は葉とほぼ同じ形でやや小さく、裂片は2〜4細胞からなり、基部では1〜2細胞幅。
花被をつけた個体は見つからなかった。小さめのスギバゴケ L. vitrea だろうと思ったが、先入観を捨てて平凡社図鑑の検索表をたどってみた。本標本では、葉裂片の細胞数は5〜8個で基部は2〜3細胞幅。腹葉の裂片では細胞数は2〜4個で基部は1〜2細胞だ。これらの観察結果に基づいて検索表を忠実にたどると、スギバゴケとフォーリースギバゴケ L. fauriana を含む枝ではなく、ヒラハスギバゴケ L. wallichiana を含む側の枝に落ちてしまう。ここでフォーリースギバゴケとヤエヤマスギバゴケ L. mamillosa は除外できるので、考察の対象からは外した。 |
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