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[標本番号:No.1034 採集日:2010/10/13 採集地:高知県、津野町] [和名:アオギヌゴケ 学名:Brachythecium populeum] | |||||||||||||
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高知県の四万十川の源流点周辺で採取したアオギヌゴケ属 Brachythecium の蘚類を観察した。源流点標識のやや上、水流の近くの岩に着いていた(alt 1000m)。茎は岩を這い、随所から出た二次茎ないし枝が斜上し、枝はまばらに分枝する。一次茎の葉はほとんどが崩れていたので観察しなかった。枝は葉を含めて湿時2〜2.5mm幅、乾燥時1〜1.2mm幅、乾燥すると葉がやや縮れて茎に接する。 二次茎の葉と枝基部の葉とはよく似ていて、長さ1.6〜1.8mm、広三角状卵形〜三角状披針形で、葉にはほとんど縦皺がなく、乾くとわずかに縮み、上半部の葉縁に微歯がある。中肋は葉の先端にまで達する。葉身細胞は長楕円形〜線形で、長さ30〜50μm、幅4〜6μm、薄膜で平滑。翼部はあまり分化せず、縁の周辺に方形の細胞列が並ぶ。葉の横断面では随所にマミラ状となった部分もある。茎の横断面には中心束があり、表皮細胞は小さく厚膜。苞葉の葉身細胞は線形で大きく、長さ70〜90μm、幅6〜10μm、やや厚膜だが、基部では薄膜の長六角形となる。 |
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朔柄は赤褐色で、長さ1.5〜2.5cm、上部表面にのみ多数のパピラがある。朔は短い卵形で、朔歯は二重、各々16枚の朔歯がある。 先入観を捨てて、平凡社図鑑のアオギヌゴケ属の検索表をたどってみた。観察結果からはすんなりとアオギヌゴケ B. populeum にたどり着いた。種の解説を読むと、観察結果とほぼ符合する。なお、朔は多数つけていたが、成熟した朔は少なく、それらの多くがかなり崩れていたので、朔の観察はやめた。 |
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