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[標本番号:No.1082 採集日:2011/03/06 採集地:千葉県、館山市] [和名:ジャゴケ 学名:Conocephalum conicum] | |||||||||||||
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昨日房総半島南端の館山市の神社で、道脇の法面にジャゴケが広がっていた(alt 30m)。雌器床ができ柄がようやく伸び始めたばかりの状態の群れがあちこちに見られた。未成熟の短い柄に支えられた雌器床を見たのは初めてだったので持ち帰ってきた。朔は既にほとんど完成していて、切ってみると大きな胞子と螺旋状の弾糸が無数に詰まっていた。ルーペで両者とも確認できる。柄の横断面を切ると内部の空洞もできあがっていた。 |
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腹鱗片は成熟個体では密生する仮根に邪魔され、撮影したり取り分けることができなかった。若い葉状体では背面にまで腹鱗片付属物が広がっていた。また、腹鱗片基部の縁には棍棒状の興味深い形の細胞がついている。 ジャゴケについてはすでに標本No.151で、雌器床の柄が長く伸びたものを観察・記述ているのでここでは文字による記述はせず、画像だけを掲載した。葉状体苔類を採取したのは久しぶりのことだった。葉状体横断面で気室を撮影するのに水で封入すると、同化糸の基部に気泡ができてしまい、なかなか上手く撮影できない。しかし、エタノールで封入すれば気泡の発生をかなり抑えられる。それにしても、雌器床が葉状体の表皮組織を突き破る力はかなり強そうだ。
[修正と補足:2011.3.11] |
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柄の長さは2〜5cmほどになり、大部分の朔は下部が破れて胞子を放出していた。柄の上部には胞子が付着し、破れた朔には弾糸ばかりが目立った。弾糸の一部がバラバラとなり、コイル状になって塊をなしていた。今日からは乾燥標本とするため底部の湿紙を取り除いた。 | |||||||||||||