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[標本番号:No.1153   採集日:2017/01/13   採集地:栃木県、日光市]
[和名:ホソバオキナゴケ   学名:Leucobryum juniperoideum]
 
2017年2月12日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a, b) 植物体、(c) 三つの株、(d, e) 葉、(f, g) 葉身細胞の表面、(h) 葉身細胞の葉緑細胞、(i, j) 葉の断面、(k) 葉の先端:表面、KOH、(l) 同前:内部、KOH

 ホソバオキナゴケは杉林に行くとたいてい樹木の基部に見られる。先月13日に日光だいや川公園で少し採取してきたが、これまでそのまま放置してあった。顕微鏡で覗いてみた。
 葉は茎に密着してつき、乾湿で姿を変えることはなく、すぐに脱落する。葉は典型的な披針形で、肉厚、葉の大部分は中肋で、縁は内曲している。特に葉の上半は強く内曲して筒のようになっている。合焦位置を変えて葉身細胞をみると、透明細胞と葉緑細胞がなんとなくわかる。葉の横断面を切り出してみると、大型で透明な細胞に挟まれた小さな葉緑細胞が捉えられる。KOHで封入すると全体が明黄色となり、水で封入したときと違った姿を見せてくれる(k, l)。葉は長くて比較的大きいので、横断面の切り出しの練習にはとてもよい。