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[標本番号:No.1161 採集日:2017/03/02 採集地:栃木県、塩谷町] [和名:オオサナダゴケモドキ 学名:Plagiothecium euryphyllum] | |||||||||||||||||||
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今月始めに日光市に隣接する塩谷町の林道を走っているときに道路わきの斜面にトヤマシノブゴケと共にサナダゴケ科のコケが群生していた(a)。 茎は這い不規則に羽状に分枝し葉を扁平につけ全体は平らなマットを作っている。枝は葉を含めて幅2〜5mm、仮根に纏われた枝もある。葉は卵状楕円形、長さ1〜1.5mm、幅0.8〜1.2mm、やや非相称で、乾いても湿っていても形は変わらない。葉の先端は広めに尖り、縁は全縁だが先端付近に微細な歯があり、葉縁に舷はなく、基部は茎の上に下延する。弱い中肋が二本、葉の中央部近くまで達して消える。 葉身細胞は葉先端では細長い六角形〜線形、葉の中央部では線形で幅5〜10μm、長さ80〜100μm、膜は薄く平滑。葉基部の細胞は矩形〜楕円形ないし六角形で幅10〜25μm、下延部は矩形で透明な細胞からなる。茎の断面で、中心部の細胞は薄膜で小さく、外周近くの細胞は厚膜だが、表皮細胞は大きくて、外気と触れる部分では非常に薄膜。 保育社図鑑のサナダゴケ科の検索表をたどってみた。茎の横断面で表皮細胞が多きく薄膜で、葉縁はほぼ全縁で、葉の基部は明瞭に下延しているので、サナダゴケ属に落ちる。次いで、葉の下延部の細胞は他の部分の細胞とは明瞭に異なり、細く長い細胞からなり、葉身細胞はおおむね線形で、葉先はやや鋭頭で、葉の細胞は5〜10μmで、葉の先端には仮根や無性芽は見られないから、オオサナダゴケモドキ Plagiothecium euryphyllum に落ちる。種の説明を読んでみると、観察結果にほぼ一致する。 |
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