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[標本番号:No.1162 採集日:2017/01/18 採集地:栃木県、真岡市] [和名:ヒロハツヤゴケ 学名:Entodon challengeri] | |||||||||||||||||||
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1月18日に宇都宮市の南側の真岡市にある井頭公園で、ソメイヨシノの根元付近に群生していたコケを採集していたが、そのままになっていた。現地では生態写真も撮らなかった。そこで昨日自宅で、採集してきた標本を袋から出して撮影した(a〜c)。 全体に扁平で艶があり、茎は這いやや羽状に分枝し、枝は葉を含めて幅1.2〜2mm。葉は明瞭に扁平につき、卵状楕円形で葉身部は凹み、茎葉は長さ1.5〜2mm、枝葉は長さ1〜1.2mm、いずれも葉の先端は鈍頭でわずかに尖り、葉縁は全縁。中肋はないかあっても非常に弱く短い。雌苞葉は広い披針形で長さ1.5〜2mm、短い中肋があり、縁は全縁、基部は鞘状。 葉身細胞は線形で、幅6〜8μm、長さ65〜90μm、膜は薄い。葉先端部の細胞は菱形から紡錘形で幅8〜10mm、長さ8〜30μm。葉の翼部はあまり発達せず、葉の基部の葉身細胞は矩形で幅10〜20μm、長さ10〜40μm、翼部から中肋部まで基部全般に及ぶ。 朔柄は明褐色で5〜7mm、朔は細長い卵型で直立しほぼ相称で、長さ1.8〜2.2mm、蓋の先は長くとがる。朔歯は二重の様だが、内朔歯は基礎膜が口環に癒着したように目立たず、縦溝のある細長い棒状。外朔歯は細長い二等辺三角形状の線形で縦中央に溝があり、横に条線が走り、先端部の表面は微細な乳頭に覆われる。胞子は球形で径10〜16μm。 保育社図鑑を検索するとツヤゴケ科のツヤゴケ属におち、属の検索表からヒロハツヤゴケに落ちる。種の解説を読むと、おおむね観察結果と合致する。 |
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