HOME | 観察覚書:INDEX | back |
[標本番号:No.1172 採集日:2017/03/30 採集地:栃木県、塩谷町] [和名:リボンゴケ 学名:Neckeropsis nitidula] | ||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
塩谷町の佐貫石仏は岸壁に刻まれた大日如来の磨崖仏で国の史跡に指定されている。その石仏の刻まれた面の側面から裏側にも崖は続いている。そこでいくつかのコケを採取した。そのうちの一つ、リボンゴケあるいはヤマトヒラゴケと思われる蘚類を観察してみた。
一次茎は岩にへばりつき、二次茎は長さ1〜4cm、やや羽状にわずかに側方に枝を出すが、中にはほとんど枝分かれしない二次茎もある。二次茎は強い光沢をもった葉を扁平につけ、葉を含めた幅は2〜3mm。葉は長さ2〜2.5mm、幅1〜1.2mm、へら状で非相称、しわはなく、乾いても縮れない。葉の上半部の縁には微歯があり、先端には短い突起があり、多くの葉で基部の片側の葉は強く内曲する。中肋は弱く葉の中央部あたりで終わる。
朔をつけた個体は見つけられなかったので、気孔や口環の有無、朔歯の様子などは確認できなかった。形態からはリボンゴケにもヤマトヒラゴケにも見える。枝先の葉はさほど小さくならず、鞭枝のようになってものはほとんど見られないので、ここではリボンゴケとして扱うことにした。 この標本を採取した場所は自宅から車で10数分の比較的近い場所にあるので、そのうちに朔の確認もできる可能性が大きい。そこで改めて同定してリボンゴケでよいのか、あるいはヤマトヒラゴケなのか確認してみたい。 |
||||||||||||||||