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[標本番号:No.1173   採集日:2017/03/30   採集地:栃木県、塩谷町]
[和名:ヒメクラマゴケモドキ   学名:Porella caespitans var. cordifolia]
 
2017年4月22日(土)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
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(e)
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(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
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(k)
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(l)
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(m)
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(n)
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(o)
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(p)
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(q)
(q)
(r)
(r)
(a) 発生環境、(b) 植物体、(c) 標本、(d) 標本腹面:乾燥、(e) 標本背面:湿時、(f) 標本腹面:湿時、(g) 標本腹面:現地でルーペ、(h, i) 葉、(j) 背片先端、(k) 背片基部、(l) 背片の葉身細胞、(m) 葉身細胞の油体、(n) 腹片、(o) 腹片の先端、(p) 腹片の葉身細胞、(q) 茎の断面、(r) 標本腹面:サフラニン染色

 塩谷町の佐貫石仏に続く岸壁で採取した苔類を覗いてみた。採取から3週間放置しておいたら、すっかり乾燥しきって半分以上の個体が茶色になってしまっていた。

 植物体は不規則に羽状に分枝し、倒伏あるいは斜上する。茎は長さ3〜6cm。葉の背片は倒瓦状に重なり、2裂し背片は腹片よりずっと大きく、卵形で全縁、葉先は鋭く尖り、背縁は大きく張り出して茎を覆う。腹片は狭い舌形で全縁、基部は長く茎に流下し、背片とのキールは弓型に凹み狭い。背片の葉身細胞は類円形から丸みを帯びた多角形で、長さ15〜25μm、膜はやや厚く、トリゴンは大きい。油体は一細胞に多数あり、楕円形で長さ3〜6μmで均質。腹葉は台形〜卵形で茎の幅よりわずかに広く、基部は流下して、先端は切頭状で、肩に鈍い歯をもったものもある。腹葉の葉身細胞も側葉のそれとほぼ同様。

 保育社の図鑑から追っていくと、Porellaceae (クラマゴケモドキ科)の苔類に間違いない、検索表をたどるとヒメクラマゴケモドキに落ちる。念のために平凡社図鑑の説明を読むと観察結果とほぼ合致する。観察には不要な処理で、同定には全く関わりないが、乾燥標本を水で戻したもの(f)をサフラニンで染めるととても美しかった(r)。これはご愛敬。