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[標本番号:No.1175   採集日:2017/04/02   採集地:栃木県、日光市]
[和名:キャラボクゴケ   学名:Fissidens taxifolius]
 
2017年4月28日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a) 発生していた石垣、(b) 植物体:雄、(c) 植物体:雌、(d) 朔をつけた標本、(e, f) 茎と葉、(g) 葉、(h) 葉の上部、(i) 葉の先端、(j) 葉身細胞、(k) 葉の断面、(l) 茎の断面

 自宅近くの例幣使街道の石垣についていたホウオウゴケ属のコケを眺めてみた。平凡社図鑑に従うとどうやらキャラボクゴケのように思える。雄株(b)と雌株(c)が隣り合って出ていた。胞子体をつけたものに出会ったのは多分初めてだった。キャラボクゴケについてはこれまでに何度も取り上げているので、今回は胞子体を中心に観察してみた。
 
 
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
(s)
(s)
(t)
(t)
(u)
(u)
(v)
(v)
(w)
(w)
(x)
(x)
(m) 胞子体、(n) 胞子体基部、(o) 帽をつけた朔、(p, q) 朔と帽、(r) 朔の先端、(s) 朔歯、(t) 朔歯の先端部、(u) 朔歯の基部、(v) 朔の基部、(w) 朔の気孔、(x) 胞子

 胞子体は長い嘴状の蓋をもち、卵型の朔と黄色褐色の朔柄を持ち、配偶体の基部近くや側面から出ている。雌苞葉は細くて配偶体の葉よりずっと小さい。朔柄は長さ7〜12mmで折れ曲がったものが多く、朔は長さ1.5〜2mmで非相称、蓋は長さ0.8〜1.2mm。朔歯は一重で16枚あり、披針形で中央から先が二股に分かれ、上部には隆起した横条の間に斜縦に細い条線が見られる。基部では隆起した横条が太い。口環の発達の程度はよくわからなかった。朔の基部には気孔がいくつもある。胞子は球形で、径12〜20μm。