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[標本番号:No.1207 採集日:2017/07/17 採集地:宮城県、栗原市] [和名:イボミズゴケ 学名:Sphagnum papillosum] | |||||||||||||||||||
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7月17日に宮城県の「世界谷地」近くの湿原でオオミズゴケとともに採取したミズゴケを観察した。この標本も先のオオミズゴケ(No.1206)同様にずっとチャック付きポリ袋に入れたまま冷蔵庫に放置したままになっていた。何となくオオミズゴケとは違う感触だったので、別袋に入れて持ち帰っていた。結果的にはイボミズゴケだったが、葉緑細胞と透明細胞の境界面を注意深く見ないと、オオミズゴケと誤同定しそうだ。
全体にボテッとした姿で、茎は8〜15cmあり、開出枝が下垂枝よりもやや長い(d, e)。茎葉は枝葉より小さく、長さ1.2〜1.5mm、舌形で縁に舷はなく、先端が総状に避けたものが多く(g〜j)、上半部では透明細胞に膜壁があり、糸などは見られない(k)。茎の表皮細胞には弱い螺旋状の肥厚があり、表面には1〜3個の穴がある。茎の断面で表皮細胞は3〜4層をなしている(p)。枝葉の断面で透明細胞と葉緑細胞との境をなす膜に、イボの見られるものがある(n)。 |
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過去に見てきたイボミズゴケでは茎葉の断面で、葉緑細胞と透明細胞の膜壁に微細なパピラがあるものはほとんどなかったが(標本No.0784、No.0694、No.0528)、本標本ではパピラを確認できるものが多数あった。 枝葉の細胞の膜壁のパピラは、わざわざ断面を切り出さなくても、葉の表裏両面から顕微鏡の倍率をやや上げてじっくり見ると確認できる(aa, ab)が、念のために断面を切り出して確認するのが間違いないようだ。また、葉をサフラニンで染色せずとも、膜壁のパピラは確認できる(ac)。 |
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