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[標本番号:No.1214 採集日:2017/12/09 採集地:栃木県、真岡市] [和名:サヤゴケ 学名:Glyphomitrium humillimum] | |||||||||||||
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真岡市の井頭公園でヒナノハイゴケに交じってサヤゴケが群生していた(a)。その場での接写はしなかった。茎は密集して立ち、わずかに枝分かれし、長さ10〜20mm、中央から下部は枯れて茶褐色となっていた(c)。茶褐色部分は脆く、そこから取り外した茎は長さ10〜12mmほどだった(f)。乾燥すると葉は縮れることなく茎に接し、湿ると展開する。葉は披針形で軽く反曲し、先端は漸尖し、葉縁は全縁で、長さ1.8〜2.5mm、中肋は先端に達し、わずかに突出する。 葉頂部の細胞は楕円形〜類円形で長さ10μm前後、葉中央部の細胞は丸みを帯びた方形で長さ8〜10μm、平滑で壁はやや厚い。葉の基部の細胞は矩形で長さ15〜25μm、透明薄膜で平滑。葉の断面で中肋の細胞はあまり分化していない。さらに葉中部から上部の縁の細胞は二層になっている。茎の断面で顕著な中心束は見られない。 |
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胞子体は支枝の先端につき、朔柄を長い雌苞葉に包まれる。雌苞葉は茎葉よりずっと大きく、長さ2〜3mm。鞘状に朔柄を包み、先端は朔の中ほどに達するものもある。苞葉の上部から中部の細胞は、茎葉の細胞と類似するが、基部では長い矩形となり、薄膜で長さ30〜60μm。 朔は鞘状で尖った帽に基部まですっぽりと包まれる。剳ソは長さ2〜3mm。朔は倒卵形で淡色、嘴状に尖った蓋を持ち、長さ1mm前後、基部には少数の気孔がある。朔歯は一重で16枚、2枚ずつが基部で密着して8枚のように見える。朔歯の膜は厚く、乾燥すると外側に反り返り、湿ると内側に反る。朔歯の表面はほぼ平滑で、横条が密に並ぶ。 採取した標本には未熟な朔と老成した凾ホかりしか見られず、十分に成熟したよい状態のものは一つもなかった。そのため帽をとりはずすと、緑色の細くて小さな若い朔しかみられず、蓋と朔本体を切り離せるようなものがなかった。また老成した朔からは口環の様子がはっきりとはわからなかった。さらに全体に付着した微細な泥が観察の邪魔をした。 |
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