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[標本番号:No.1221 採集日:2018/02/24 採集地:栃木県、真岡市] [和名:チヂミカヤゴケ 学名:Macvicaria ulophylla] | |||||||||||||||||||
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二月に真岡市の井頭公園を散策した時にハナミズキの樹幹に着生していたタイ類を観察した。現地でルーペで観ると、背片が倒瓦状につき、葉の縁が著しく波打っていた。花被や朔らしきものも多数みられた。最近はタイ類はほとんど観ていなかったので、久しぶりにじっくり見ることにして樹皮表面から剥ぎ取って持ち帰っていた。今日まで放置していたのですっかりカラカラに乾燥していた。
葉が倒瓦状に重なり、茎に縦につき、二裂して二つに折りたたまれて、背片が腹片より大きく、腹片は舌形でキールは短く、仮根が腹葉の基部から出ていることなどから、Porellaceae (クラマゴケモドキ科)のタイ類だろうと思った。さらに花被は短い筒形で扁平、雌花は短い側枝についていることも特徴的だ。さらに背片の縁が波打ち、腹片、腹葉、苞葉などは全縁なのでMacvicaria (チヂミカヤゴケ属)に間違いなさそうだ。
観察結果からこのタイ類はM. ulophylla (チヂミカヤゴケ)に間違いなさそうだ。持ち帰った標本はなぜか非常に多くの泥に覆われていて、何度も水没させた状態で泥を落とさないと、腹片や腹葉の観察ができなかった。また、これらの標本は雌株だけだったらしく、雄株を特徴づける腹片とか、雄花を観察することはできなかった。しかも致命的なことに泥を落とす段階で、腹葉やら腹片の先端が崩れたり破れたりしてしまった。 |
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