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[標本番号:No.1230   採集日:2018/03/25   採集地:栃木県、矢板市]
[和名:ナガバチジレゴケ   学名:Ptycomitrium linearifolium]
 
2018年5月13日(日)
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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(m)
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(n)
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(o)
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(p)
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(q)
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(r)
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(a) 発生環境、(b) 植物体、(c) 標本:乾燥時、(d) 標本:湿時、(e) 葉、(f) 葉:湿時と乾燥時、(g) 葉:顕微鏡下、(h) 葉の先端、(i) 葉身細胞、(j) 翼部の細胞、(k) 葉の断面:先端部と中央部、(l) 葉の鞘部の断面、(m) 胞子体、(n) 朔:乾燥時[左]と湿時[右]、(o) 朔歯、(p) 朔歯の基部、(q) 朔基部の気孔、(r) 胞子

 今年の3月、矢板市にある栃木県民の森を歩いているとき、あちこちの岩にやたらに目立つ蘚類があった。昨年6月に日光市のだいや川公園で採取して観察したナガバチジレゴケ(標本No.1184)によく似ていると思ったが、記憶が曖昧なので改めて確認するつもりで採取した。昨日ようやく一ヶ月半ぶりに観察した。

 茎は14〜20mm、葉は卵形の基部から長く線形に伸び、長さ4〜5mm、上部の縁には数細胞からなる顕著な歯があり、中肋は葉頂下に終わる。葉は乾燥すると強く捲縮する。葉の断面で、葉縁は2層となり葉身部にも随所に2層の部分がある。中肋の断面にはガイドセルがあり、背腹両面にステライドがある。葉中部の葉身細胞は丸みを帯びた方形で、厚い壁を持ち、内腔の径は6〜10μm。翼部の細胞は透明で大型の矩形をしている。
 朔柄は赤橙色〜黄褐色で長さ3〜4mm、表面は平滑。朔は直立し倒卵形で相称、長さ1.5〜1.8mm。朔歯は一重で16枚からなり、線状披針形で基部から二裂し、表面には無数の微細な乳頭がある。朔の基部には気孔がある。胞子は球形で径8〜12μm。

 朔には帽や蓋をつけたものは既になかった。屋外では、茎が短くとても小さいので、ハチジレゴケかもしれないと思ったが、観察結果はやはりナガバチジレゴケを示唆している。ハチジレゴケとは発生環境が異なることや、葉の先端の形状が違う。