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7月31日〜8月2日に、ミズゴケから発生するきのこの観察を目的に、福島県内の亜高山帯を巡り歩いた。観光用に整備されたり保護された湿地や沼を避けて、2万5千分の1地形図とGPSを頼りに、藪を漕いで7〜8ヶ所の小湿地を探索した。熊にも数回出会った。 結果として、10数点のきのことそれらのホストであるミズゴケを採集できた。たぶん、標本として採集したミズゴケの大半は、すでに観察経験のあるものだろう。採集する前には必ず複数の生態写真を撮った。撮影には難儀した。きのこの発生部位やミズゴケの種類がわかるような写真も撮るので、この3日間の撮影枚数は優に600枚を超えていた。 ふだん、撮影したデジタルデータは、外付けUSBハードディスクにコピーした後、記録媒体を初期化する。画像は、ハードディスクに "090708tochigi_nikko" といったフォルダーを作ってそこに格納する。これらのフォルダーは "photo2009" という親フォルダーの下に作る。 昨日、ミズゴケタケのホストを確認しようと標本を引っ張り出した。ミズゴケの茎のどの部分から発生していたのかを確認するため、撮影したはずの画像を確認しようと思った。ところが、ハードディスクのどこを探しても見つからない。作ったはずのフォルダーそのものがない! バックアップ用のハードディスク内も探したがやはりどこにもない。こけ用のフォルダーときのこ用のフォルダーを間違えた恐れもあると思って、別のハードディスクやフォルダーも探してみた。撮影したはずの600枚超のデータはどこにもなかった。何らかの思い違いでフォルダーごと削除してしまったか、コピー作業に失敗していたのだろう。 苦労して辿り着き、難儀して撮影した写真のすべてが夢のように消えてしまった。せめてもの救いは、手元に数十点のミズゴケ(生標本)ときのこ(乾燥標本)が残っていることだ。しばらくは観察覚書にアップするミズゴケには生態写真のないものばかりとなる。 |
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