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属までも落とすことができなかった! | |||||||||||||
三か月前の4月29日に矢板市の八方ヶ原(alt 1,300m)で採取したコケも残り少なくなってきた。その一つ(標本番号 No.1193)を観察してみたが、どうあがいてもDicranaceae (シッポゴケ科) から先にたどり着けなかった。そこで観察覚書には記さず、観察結果と感想を交えた形でこの「たわごと」に書くことにした。
コケは倒れた腐朽木に密集して生えていた。朔をつけた個体が豊富にあったので属名くらいまでは分かるのではないかと思って採取した。 |
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雌苞葉は基部がスコップの先のような形をしているが、翼部の細胞分化は見られない。葉身細胞は他の葉のそれとほぼ同一。朔柄は上述したように、長さ1cm前後で黄褐色。朔は円筒形でやや傾いて着き、弱い非相称。蓋はほとんど失われていたので、形などはわからない。朔は乾燥していても湿っていても内側に内曲して大きく開くことはない。口環は弱く分化する。朔歯は基部まで披針形ないし針状に二裂し、赤褐色で全面に微細な乳頭があり、先端部はやや大きめの乳頭に覆われる。胞子は球形で、径12〜20μmで、表面は平滑。 |
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当初はDitrichum (キンシゴケ属) ではあるまいかと思った、保育社図鑑、平凡社図鑑、Noguchiのいずれにも該当するような種が見当たらない。そこで、Dicranaceae (シッポゴケ科) の属についての記述を手当たり次第に読んでみては、該当する種がないかあたってみたが、結局徒労に終わった。残念ながら、いま現在の同定能力では手に負えないことが判明した。 今年の4月に採集したコケがまだ6〜7点、6月に採集したものが4〜6点、7月に採集したミズゴケが2点ほど手元に残っているので、これらを一通り観察してしまうまでは、新たなコケ標本の採集は最少限に抑えてなるべく控えてきた。早いところ、これらの処理を済ませてしまいたい。 |
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