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乾燥しきって観察どころではなくなった | |||||||
冬場の朝の散歩では田圃や畑が広がる田園地帯を歩くことが多い。今の時期は田圃に麦の新芽もよく目立つが、耕起しただけで何も植えられていない畑も多い。いつものように速足で歩いていると何となく白っぽく見える畑に出会った。足をとめてよく見ればハタケゴケの仲間らしきタイ類が一面に発生していた。さらに赤や緑色の朔をつけたアゼゴケも多数混じっていた(a, b)。 久しぶりにこれらのコケを観察してみようと思って、これら二種のコケを紙袋に入れて持ち帰った。コケだけを上手くはぎ取ることができずに多量の泥にまみれた状態だった(c)。持ち帰ったコケはシャーレに入れて室内に置いたが、蓋はしなかった。泥と分離できないので、小片の一つを泥と一緒に水没させた。濡れれば泥を落としやすいと思ったのだ。 翌朝、シャーレの中のコケをみて愕然とした。前日までの面影はなく、ティッシュペーパーをちぎってバラまいたような状態になっていた(d, e)。断面を見ても、もはやコケとは思えない状態になっていた。一方水没させておいた小片はといえば、ある程度まで泥と分離はできたが(f)、剃刀を当てると全体が崩れてしまい組織の状態はわからず、観察できたのは仮根だけだった。 アゼゴケの方は期待通りの観察ができたが、ハタケゴケの仲間は多分カンハタケゴケだろうと推測できるだけで、種の確認などはまったくできなかった。 |
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