2002年5月15日(水) |
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今日取り上げたのは、13日に海辺の定点観測をした折りに出会った多くのきのこの一部だ。九十九里の砂浜では、ハマニンニクの根元に小さな淡褐色のヒダを持ったきのこ(m)が多数発生していた。掘り出してみると(n)若いハマニンニクの葉の付け根付近から束生していた。砂を洗い流してみる(o)と、ハマニンニクから支枝がでてその先端がきのこになっているかのような異様な姿がよくわかる。顕微鏡で覗いてみると担子器は無数にあるものの、胞子の数はとても少なかった。傘を一晩放置したが胞子紋はほとんど採れなかった。見た目は成菌そのものなのだが、やはりまだ幼菌なのだろうか。 スナジクズタケ(p)も出始めた。傘表面の砂を洗い流した姿(q)、裏面(r)だ。海辺近くの薄暗いスダジイの森にはカンゾウタケ(s, t)が大きくなっていた。裏面(u)、切断面(v)だ。松混じりのコナラ林にはアマタケ(w, x)も多数見られた。スナヤマチャワンタケはまだこの時期には全くでていない。
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ハマニンニクの根元にでるきのこ(m)のミクロの姿をみた。傘の径3〜8mmほどなのでなるべく大きなものからヒダを1枚切り出して切片(a)を作った。縁シスチジア(b)、側シスチジア(c)を低倍率で覗いたあと、担子器(d)、側シスチジア(e)を高倍率で観察した。数少ない胞子(f)のスケールは1目盛りが1μmだ。砂を沢山噛んでいるのでそのまま切り出すとカミソリがすぐにダメになる。しかし、水流を使って砂を洗い落とすと、胞子やヒダ表皮構造物も一緒に壊してしまう。きのこの表面についた砂が水流でくるくる回ってヤスリのような役割をする。結局は実体鏡の下でピンセットを使いひとつひとつ砂粒を取り除くしかなかった。それでも微細な砂粒はとりきれない。砂浜のきのこには毎回難儀する。でも砂山チャワンタケやスナジクズタケよりははるかに楽だった。 |
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